藿香正気散



気温が高くなり、体温に近くなってくると共に、外部の湿度も上がってくると、蒸し暑い日が続く

ことが多くなります。また、暑くなるとエアコンや冷たい飲み物などで身体を冷やしてしまうことが

多くなります。こららのことは、人間が自然から獲得してきた身体の調節機構を、短時間に、

頻繁に再調整させることとなって、いろいろな身体のメカニズムに負担を強い、ともすればコント

ロールを乱して色々な症状を出してくる原因にもなってきます。2千年以上前に記されたとされてい

る漢方の基本古典医学書である「黄帝内径」の「素問」(上古天真論)には養生法として春夏秋冬の

自然に調和した生活をするのがよい。と書かれています。春夏は気温が高く陽気も多くあります。

それに合わせて、人間も活動的なのがいいのです。さて、今回ご紹介する藿香正気散は夏場の

体調不良におススメの漢方薬です。悪寒、発熱が強く、頭痛や鼻水あるいは咳などの症状が伴う冬の

カゼに比べて、夏のカゼは、身体がほてってだるく、嘔吐・下痢などの胃腸障害が中心になります。

夏のカゼに温める薬(冬のカゼによく使う薬)を使うと、発汗が高まりすぎてかえって体調を崩す事

があります。夏のカゼに多い胃腸型のカゼにはこの藿香正気散をおススメします。